研究部からのひとこと

2017.12.27 日文研とわたし2(蔡敦達外国人研究員)

前回のお話

 2000年といえば、日文研設立当時の先生の多くはまだ現役で、所長が河合隼雄先生だった。毎週、所長をはじめ、さまざまな研究会が開かれていた。しかもそれらは他所と違って、いろいろな分野の研究者が一堂に集まり、一つの研究テーマをめぐって各自の研究視点から学問的に探究していた。専任、客員を問わず、だれでも参加できる研究システムのお蔭で、わたしも多くの研究会に足を運び、どきどきした気分のなか、これまでぜんぜん触れたことのない学問に刺激され、関連する知識を貪るように吸収した。

 研究会はもちろんのこと、諸先生から学んだことも多々あり、現所長の小松和彦先生ご専門のおばけということばを借りて言うと、日文研は、多様多彩な研究を繰り広げている学問の「鬼」を輩出している(これはどきどきした気分の主因かもしれない)。お名前をいちいち挙げることはしないが、いずれも優れた功績を上げた学者ばかりなのである。これら研究者の功績からもわかるように、研究内容がまさに学際的で、研究視野もまさに国際的なため、国際日本文化研究センターという名にふさわしいものだ。外国人研究員のわたしも誇りに思っている。

 私事ながら申し訳ないが、私のその後の研究、例えば研究の方法論は日文研での研究経験からかなりの影響を受けていると思う。帰国後、業績を上げ、間もなく教授になったのも日文研での積み重ねがあったからだ(実は、こういうケースは私の前も後も数多くあったのだ)。日文研は、まさに「革命」、いや学者(あるいは学者のたまご)の「大熔炉」にちがいないであろう。(つづく

 

蔡敦達外国人研究員/上海杉達学院(大学)教授 紹介ページ
http://research.nichibun.ac.jp/ja/researcher/staff/s534/index.html