研究部からのひとこと

2016.10.12 私のつぶやき(井上章一教授)

 人文学の仕事には、ヴィンテージ物のワインと同じで、熟成の賜物と言えるものがある。たとえば、新村出の語源研究や宮崎市定の中国史に、私は馥郁とした人文学の薫りを感じてきた。私淑をしてもいる。

 だが、大学をとりまく世界は、このごろとみにせわしくなってきた。日文研でも、組織改革などへむけての書類づくりに、多くの教員が忙殺されている。後世から、あの時代に人文学はかがやいていたとみなされる作品が、この状況でどれだけ生まれるのか。私は、たいそうあやぶんでいる。

 

井上章一教授 紹介ページ
http://research.nichibun.ac.jp/ja/researcher/staff/s023/index.html