研究部からのひとこと

2017.03.15 「外国人」たちの日文研(杉田智美機関研究員)

 日文研に来る前、韓国で3年を過ごした。木浦大学校の招聘教員として日本語と日本文化を教える仕事であった。植民地支配の歴史、帝国主義の残滓−。頭だけで考えた呪縛のまま飛び込んだ韓国で私を待っていたのは、生まれて初めて外国人として生活するひ弱な私をサポートしてくれる学生や地域の人たちの暖かさだった。離れがたくその地を離れ、日文研に職を得てそこに来る多くの海外研究員の先生たちに、ただ教えを請うだけではなく韓国で受けた恩のいくばくかでもお返したいという気持ちで毎日を過ごしている。敷地の隣には年に一度「出前授業」ができる小学校があり、「外国人になる」ことの意味、「マイノリティ」として生きることの厳しさとその何倍もの喜びを話す機会もいただけた。小学生との真剣勝負の1時間は心から楽しい時間だった。

 日本で研究という種を植え、韓国で発芽させたそうした体験を日文研という国際交流の場で少しずつ大きくしたい。そんなわがままを許してもらえる場所として、日文研がこれからも続いていきますように−。30주년 축하드립니다〜!