研究部からのひとこと

2017.03.29 「外書」の書誌を編む日々(光平有希プロジェクト研究員)

 日文研では、外国語で記された文献でありつつ、特に日本に関する記述を含む図書を「外書」と呼び、その収集に力を入れています。これらの中の欧文図書を取り扱う「外書のプロジェクト」では、各図書の書誌目録作成や「貴重書データベース」の構築、新規Webサイトの開設に向けて目下奔走中です。また、日文研創立30周年記念事業のひとつとして、欧文「外書」の書誌目録にあたる「日本関係欧文図書目録」第4巻(1853年以前)の出版も準備しています。

  書誌目録作成の作業場は図書館の3階にある貴重書閲覧室です。そこで毎日、16世紀から19世紀にかけて欧文で著わされた「外書」と対峙します。ラテン語、オランダ語、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語等々の多言語で著された「外書」を手に取り、1頁1頁めくりながら、色々な側面を調べます。構成や内容、挿絵はどのようなものか。大きさや紙の折り方、装丁、本の状態はどうなっているか。さらに、これまでどのような経緯を辿ってその本が流通され、所持者や所蔵機関によってどのような書きこみがなされているか。このような調査により見えてくる情報を書誌として作成しています。

 通信、国交、通商手段などが現在よりも未発達であった時代。欧米人はどのように日本の文化、政治、風土を見ていたのか、そしてそれをどのように伝えたのか。その内容の面白さはもちろんのこと、各図書の形状や装丁にもそれぞれ時代背景や意味があります。このような各「外書」がまとっている多くの情報を伝えるため、これからも書誌を「編む」日々は続きます。