研究部からのひとこと

2017.11.29 日文研とわたし1(蔡敦達外国人研究員)

 日文研とのご縁は、じつは20余年の前にさかのぼる。1994年の夏、博士学位号を取ったばかりのわたしは、わくわくした気持ちで、平素憧れの学者と会うため京都に来た。そのなかのお一人は日文研の白幡洋三郎先生だった。ワープロで綴った活字の博士論文を、白幡先生に贈呈し、指教を仰ぐとともに、これからの研究アドバイスをいただいた。これをきっかけに2000年4月、日文研の客員助教授となり、1年間の研究生活が始まった。白幡先生は受け入れ教官だった。単身赴任、ハウス泊まりのわたしは、勉強や研究のかたわら、宝庫ともいえる図書館所蔵資料を貪るように、無我夢中に収集していた。USBのない時代なので、一枚一枚紙に複写しなければならず、深夜11時にならないと宿舎に戻らない日々がほぼ毎日だった。最近、翻訳・編集で出版した『中国城池図録』(同済大学出版社、原書は1940年旧日本軍人の石割平造による『支那城郭の概要』)も当時集めた資料だ。しかし、わくわくした気持ちからどきどきした気分に変わったのも、その時であった。(つづく)

 

蔡敦達外国人研究員/上海杉達学院(大学)教授 紹介ページ
http://research.nichibun.ac.jp/ja/researcher/staff/s534/index.html